ネパールの外国人材雇用について

ネパールは東南アジアに位置する多民族国家で、日本での就業を希望する若者たちが外国人材として数多く訪れており、さまざまな業種や業態の企業で活躍しています。

在留ネパール人の数は右肩上がりで、中国や韓国、ベトナムに続き身近な外国人であることや、日本語の学習にも意欲的な人材が多いことから、外国人材受け入れの希望国としてネパールを指定される事業者が大幅に増加しています。

まだ外国人材の雇用をされたことのない企業の方や、外国人材をすでに雇用されているもののネパール人の雇用経験が無い企業の方のために、ネパールの人々の特徴や、雇用する際のメリット・デメリットをまとめて解説します。

ネパールはどんな国

エベレストがあるヒマラヤ山脈で有名なネパールは、インドと中国に挟まれた南アジアに位置します。

国の面積は北海道の約1.8倍程で、人口も2900万人と小さな国ですが、人口は増加を続けており、国民の約45%が23歳以下という非常に若い国です。

主な産業は農業か観光業しかなく、産業構造としては農業や観光業、サービス業の占める割合が7割にもおよびます。そのため、国内での就職先はなく、多くの人が職を求めて海外に出稼ぎに出ています。

海外での就職に頼っているネパールでの英語教育はとても熱心で、ほとんどのネパール人が英語を話せます。

現在は廃止されていますが1959年までカースト制度が用いられていました。また、人口の80%がヒンドゥー教で多民族国家でもあるため、ネパールでは民族や宗教、歴史が複雑に入り混じった文化を持っています。

国民の平均月収は約2〜3万円程のネパールは、世界で最も貧しい国のひとつとして挙げられています。

日本との共通点が見当たらないように思えますが、実はネパールは日本と同じ、東南アジアでは珍しい植民地になったことがない独立国なのです。

このように世界的にみても経済の発展段階の低いネパールでは、経済的な成長を目指して、新しい知識や技術の習得に積極的な若い人材が数多くいます。

ネパール人の在留資格

ネパールは、技能実習および特定技能による送り出し国のひとつとして在留資格を得ることができます。

このため国際貢献として、技術や知識を習得したいネパール人を技能実習として受け入れたり、人材不足に対応するためにネパール人を特定技能によって雇用することが可能です。

技能実習から特定技能へ在留資格の切り替えをおこなうことによって、長期間にわたって同じ職場で受け入れることが可能ですので、長期的な視点でのネパール人の雇用が期待できます。

ネパール人の特徴

ネパール人の多くは楽観的で人懐っこいオープンな性格であることが特徴です。

日本に対する意識も、日本のネパールへの援助額は世界でイギリスに次いで2位ということもあり、感謝や憧れといった好意的な気持ちを持つ親日家が多いようです。

外国人材を雇用される企業の方がまず最初に気にされるのが、職場の雰囲気を悪くしたり、揉め事などのトラブルが発生する可能性についてですが、ネパールの人々については特に気にされる必要はないでしょう。

また、カースト制度や多民族が共存しているネパールでは助け合いの精神が根付いておりとても親切です。

職場の空気を悪くするような行いは避け、調和を大切にするという日本人の考え方は、ネパールの人々と意識を共有することができますので、安心して既存の職場に人材を採用していただくことができます。

ネパールの日本語教育

ネパールの首都であるカトマンズには500以上もの日本語学校があり、日本語教育が盛んに行われています。

ネパールでは国内での生産や就職が困難ということから、いい職に就くための手段として外国語の習得にとても熱心なので、日本での就職を目指し日本語を勉強している若者も多いです。

日本における学歴を重要視する考え方は変わりつつありますが、ネパールは日本と同様に学歴社会であることから、勤勉で日本語の上達も早いでしょう。

ネパール国内の日本企業

中国とインドの急成長する経済大国に挟まれたネパールでは、まだ日本の企業進出はあまりしていません。

国内における就職先が乏しく、平均年齢21歳と若い人材に溢れていることから、今後ネパールへの企業進出も期待できるかもしれません。

しかし、現時点では特定技能制度や技能実習制度を利用した日本国内での雇用を進めている企業が増加しています。

ネパール人材の雇用のメリット

ネパール人材を雇用する大きなメリットは、英語力と仕事への意欲の高さと言えるでしょう。

外国語教育が盛んなネパール人の英語力はとても高いので、たとえば仕事での取り引きや、旅行客など外国人とのコミュニケーションが必要な場面で活躍してくれます。また、ネパール語はインドの公用語であるヒンドゥー語ととても似ているため、ネパール人はヒンドゥー語もほとんど理解できるようです。

平均月収が2〜3万円ほどのネパールでは、日本での就職によって経済的援助をしたいと考える人やハングリー精神の強い人が多いため、仕事への意欲が高いです。

日本での仕事や生活を経験することが、ネパールの人々にとっては生涯にわたる財産となり、将来的なライフプランを築く上での重要な経歴となりますので、日本人にはない仕事に対する姿勢からは、学ぶことも多いでしょう。

ネパール人材の雇用のデメリット

異なる価値観や文化の人々を受け入れることによって、職場内でのルール作りなどの手間が生じてしまうことは、ネパール人材に限らず外国人材を雇用する上での最大のデメリットであると言えます。

例えば、人口の80%が信仰しているヒンドゥー教では牛肉を食べず、左手は不浄の手と言って握手や物の受け渡しには使われません。現在は厳格な右手主義は減っており不便なときは左手も使うようですが、このような文化の違いに慣れるまでは少し時間がかかるかもしれません。

また、大雑把な人が多い傾向にあるようなので、仕事や整理整頓に対して意識のすり合わせが必要かもしれません。しかし、細かい作業や整理整頓が苦手なわけではなく、そのような概念がないといった印象なので、はじめの段階で必要なことをしっかりと伝え認識確認をしておくことをおすすめします。

多くのスタッフが働く職場であれば、外国人に対して肯定的な考えを持たれていない方も数名は含まれており、慣れるまでは不平や不満などが出てくる可能性もあります。

しかし、たとえ日本人同士の場合でも複数の人々が同じ空間で働くことによって、生活習慣や性格の違いから問題が生じるケースは多々ありますので、一概にデメリットであるとは言い難いかもしれません。

ネパール人に向いている企業や職種

ネパール人は人懐っこく勤勉な人材であることから、日本人のスタッフと混ざりながらさまざまな業種や業態の企業で活躍しています。

このため基本的には業種や業態を選ばずに幅広い分野で採用していただけるのですが、技術を身につけてとにかく日本で就職したいと考えるネパール人の人々は自動車整備などで、積極的に仕事を学び活躍してくれるでしょう。

また助け合いの精神を持ち日本語能力の習得も早いため、外食業や介護職でも特徴を活かしてくれるかもしれません。