ミャンマーの外国人材雇用について

ミャンマーは東南アジアの国で、日本での就業を希望する若者たちが外国人材として訪れさまざまな業種や業態の企業で活躍しています。

古くから日本人に馴染みのあることから、日本の文化や生活習慣に馴染みやすく、また日本人の気質と似通っている部分が多いことから、外国人材受け入れの希望国としてミャンマーを指定される事業者が今後増加することが予測できます。

これまでに外国人材を雇用したことのない企業の方や、ミャンマー以外の外国人材をすでに雇用されているもののミャンマー人の雇用経験が無い企業の方のために、ミャンマーの人々の外国人材としての特徴や性格、メリット・デメリットをまとめて解説します。

ミャンマーはどんな国?

ミャンマーは1962年に軍事政権が誕生して以降、約50年間に及ぶ鎖国状態が続きアジア最貧国となった国です。1989年に改名されるまでは「ビルマ」と呼ばれていました。

近年はアジアの「ラストフロンティア」として注目を浴び、急速にインフラ整備や経済発展が進んでいる真っ只中です。

一方、今年2月に突如として国軍によるクーデターが起こるなど、政治情勢はまだ安定しているとは言えません。

日本の1.8倍の国土と5500万人の人口を持つミャンマーは農業大国として知られていますが、鉱物資源が豊かな国でもあります。しかし、優秀な大学を卒業しても国内での就職先は少なく、平均月給は1〜2万程です。他のアジア諸国と比較しても生活水準の低さが見受けられます。

このような政治・経済のなかで、ミャンマーの多くの若者たちは経済的な豊かさや国の発展を目指して、新しい知識や技術の習得に積極的な人材が急増しています。

また、ミャンマーの平均年齢は28歳と日本の48.8歳と比べて非常に若いので、労働力と消費者の両方において伸びしろが大きく期待できる国です。

近年、ミャンマーでは軍事政権による国民の弾圧が続いており、ミャンマーからの外国人材の受け入れは困難な状況にあります。

ミャンマー人の在留資格

ミャンマーは、技能実習および特定技能による在留資格が得られる送り出し国のひとつとなっています。

このため、国際貢献として技術を学びたいミャンマー人を技能実習として受け入れたり、人材不足の解消のためにミャンマー人を特定技能によって雇用することが可能です。

技能実習から特定技能へと、長期間にわたって同じ職場で受け入れることが可能ですので、長期的な視点でのミャンマー人の雇用が期待できます。

ミャンマー人の特徴

ミャンマーでは国民の9割が仏教を信仰しており、その教えのなかに「他人のために善い行いをすると来世幸せになれる」という考え方があります。そのため、ミャンマー人には困っている人がいると率先して助けるなど、ホスピタリティ精神の強い人が多いです。

また、ミャンマー人は家族をとても大切にする事でも知られています。年上を敬う考えも根付いているので、身勝手な主張をすることがなく、とてもおおらかなな性格であると言われています。

日本人特有の「控えめ」「空気を読む」ことを、自然と行う傾向があります。

日本との大きな違いは、「ありがとう」という言葉をあまり使わないことです。日本では、家族であっても自分のために何かしてくれたら感謝の気持ちを伝えます。このため、ミャンマー人が無愛称であると感じてしまうことがあります。

家族をとても大切にするミャンマーでは、家族のために何かをするのは当たり前であり、家族間で「ありがとう」というのは水くさいと感じるので使いません。また、見知らぬ人であっても、困っている人を助けることは自分の功徳を積むためでもあるという考えから、感謝の言葉を伝える習慣がないようです。

また、ミャンマー人は相対的に見て教育水準が高く識字率も高いことから、勤勉であると言えます。100年以上イギリスの支配下にあったので、ほとんどの人が高い英語能力を持っています。

ミャンマーの日本語教育

ミャンマーでは戦後、日本人の僧侶やボランティア団体が寺子屋として日本語の教育を行なってきた歴史があります。そのため、ミャンマーの農村を訪れるといきなり日本語で話しかけられて驚くことがあります。

民主化によって国が解放されてからは、日系企業が数多くヤンゴンなどの大都市に進出したため、改めて日本語を学習する学生たちが増えています。

日本語試験においても、世界最大規模である日本語能力試験では、ここ数年の間にミャンマーでの受験応募者数が激増しているようです。

日本語能力試験の受験応募者数が急増している最も大きい要因のひとつは、技能実習制度や特定技能制度の発足が挙げられます。

ミャンマーの公用語であるビルマ語は、日本語と文法が同じでSVO型です。単語さえ覚えれば文章の組み方は同じなので、ミャンマー人にとって日本語の学習難易度は比較的低く理解や上達が早いでしょう。

ミャンマー国内の日本企業

「ラストフロンティア」として注目されて以降、数多くの日本企業もミャンマーに進出しており、現地法人化されている企業も含めると、2020度末時点では420拠点以上に上ります。うち、現地法人化されていない日系企業は160拠点ほどです。

しかし、今年2月に起こったクーデターにより、ミャンマー撤退や進出を懸念するなど正念場を迎えている企業もあるようです。

ミャンマー人材の雇用のメリット

ミャンマー人材を雇用することの最大のメリットは、高いホスピタリティ精神を持ち率先して仕事に取り組み、さらに、日本人と親和性が高い人材を確保できることにあります。少子高齢化によって日本人の求人だけでは十分な人材が確保できないとお困りの企業にとって、ミャンマー人は救世主的な存在となりつつあります

日本での仕事や生活を経験することが、ミャンマーの人々にとっては生涯にわたる財産となります。平均収入が約30倍も高い日本で働くことは大きな原動力にもなるので、高い意識で仕事に取り組んでくれることがミャンマー人材の雇用の大きなメリットだと言えるでしょう。

ミャンマー人材の雇用のデメリット

ミャンマー人は感情を激しく出さない傾向があり怒られ慣れていないため、より細やかな気配りが必要となる場合があります。

例えば、おおらかな性格、先生や上司など年上を敬う特徴があるが故にいやなことをなかなか言えず、やりたくない仕事を我慢して行うことがあります。ひどい場合だと、最終的に我慢の限界が来て転職やメンタルを崩してしまうケースもあるので、異なる文化を受け入れ、サポートする姿勢が必要となることはデメリットと言えるでしょう。

ただし、たとえ日本人同士であっても複数の人々が同じ空間で働くなかで、相手を理解し思いやりの心を持つことは同じなので、決して大きなデメリットであるとは言い難いかもしれません。

ミャンマー人に向いている企業や職種

ミャンマー人は他人のために何かをしてあげたいという心を持つため、率先して介護職を選ぶ人が多いです。日本ではあまり人気のある職業とは言えませんが、国民性とも言える高いホスピタリティを持つミャンマー人は、他の日本人と混ざりながら介護職等で活躍しています。

温厚で誠実なミャンマー人は利用者からも人気が出るでしょう。

また、飲食業やビルクリーニングなどでも活躍しているミャンマー人は多く、その特徴が活かされています。